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データで見る建設業と環境

ZEH普及率・建設廃棄物リサイクル率・CO2排出構造・木造建築の普及状況を可視化しています。

最終更新:2026年4月

ZEH普及率(2023年)

全体 約28%

建設廃棄物リサイクル率

97%

建設関連CO2排出

日本全体の41%

非住宅の木造率

15%

ZEH普及率は全体で約28%——注文住宅40%と建売12%で大きな差があります

経産省の ZEH フォローアップ委員会によると、2023 年度の ZEH 普及率は注文住宅で 40.2% に達した一方、建売住宅は 12.5% にとどまり、全体では約 27.6%(約 9.7 万戸/35.2 万戸)です。注文住宅は施主の意向で ZEH 化しやすいのに対し、建売は販売価格への上乗せが難しく普及が遅れています。第 6 次エネルギー基本計画では「2030 年度以降新築される住宅について、ZEH 基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」と目標が示されています。2025 年 4 月からは省エネ基準(ZEH より緩い水準)の適合が義務化済みで、その次の照準が ZEH 水準という位置づけです。注文住宅では建売との差が鮮明ですが、全体達成には建売の底上げが課題になります。工務店にとっては、2025 年 4 月以降の省エネ基準適合が最低要件、ZEH 水準はその上の差別化ラインとして整理しておく必要があります。

ZEH普及率の推移(注文住宅・建売住宅)

出典:経産省 ZEHフォローアップ委員会

建設廃棄物のリサイクル率は97%に達していますが、課題は残ります

国交省の建設副産物実態調査によると、建設廃棄物の全体リサイクル率は2000年の85%から2018年の97%へ向上しました。最終処分量も850万トンから212万トンへ約75%削減されています。ただし、品目別に見るとアスファルト塊・コンクリート塊の99%台に対し、建設混合廃棄物は63%と低く、分別の徹底が課題です。また再生砕石の品質管理問題や、コンクリート塊の再生需要と供給のバランス崩壊リスクも指摘されています。

建設廃棄物リサイクル率の推移

出典:国土交通省 建設副産物実態調査

品目別リサイクル率:建設混合廃棄物が63%と出遅れています

2018年度の品目別再資源化率を見ると、アスファルト塊99.5%、コンクリート塊99.3%と高水準ですが、建設混合廃棄物は63%と大きく遅れています。混合廃棄物の排出を減らすには、現場での分別を徹底することが重要です。分別コストは短期的には増加しますが、処分費用の削減と再資源化による収益で長期的にはプラスになるケースが多いです。

品目別 建設廃棄物リサイクル率

出典:国土交通省 建設副産物実態調査(2018年度)

建設関連のCO2排出は日本全体の約4割を占めています

国交省の試算によると、建物の運用時(住宅 13.0%+業務用建物 11.4%)、建設資材の製造時(セメント・鉄鋼等 8.3%)、輸送時(5.1%)、2 次加工時(3.6%)を合わせると、建設関連の CO2 排出は日本全体の約 4 割を占めます(集計方法により 30〜40% 台の幅があり、環境省のインベントリ等とは区分が一部異なります)。単独項目として最大なのは住宅運用時 13.0%、次いで業務用建物運用時 11.4% で、運用段階のエネルギー消費が最も大きい構成要素です。一方、建設段階に直接関わる「資材製造+輸送+2 次加工」を合算すると約 17% で、ここが建設業として直接影響を及ぼせる領域になります。低炭素資材の選定や輸送効率化は、建設業の脱炭素化の焦点です。

建設関連CO2排出の内訳

出典:国土交通省 / 日本建設業連合会

非住宅の木造率は15%にとどまり、中高層は1%未満です

木造建築の普及状況を用途別に見ると、低層住宅の木造率は80%超ですが、低層非住宅は約15%、中高層(4階以上)は1%未満です。公共建築物の低層木造率は2010年の17.9%から2023年の30.6%へ着実に伸びていますが、民間非住宅や中高層にはほとんど広がっていません。近年の改正建築基準法により中高層木造の防火・構造規定が段階的に見直されており、今後の普及加速が期待されています(具体的な施行内容・年は国交省公表資料をご確認ください)。

公共建築物 低層木造率の推移

出典:林野庁 森林・林業白書 / 国土交通省 建築着工統計

着工床面積は20年で半減、木造比率は34%から43%に上昇しています

国交省の建築着工統計によると、全建築物の着工床面積は2006年の188.9百万m²から2025年の95.9百万m²へ約半減しました。構造別に見ると、鉄骨造の減少が最も大きく(70.5→33.8百万m²、-52%)、RC造も大きく減少しています(47.4→18.4百万m²、-61%)。一方、木造も64.2→41.6百万m²と減少していますが、減少率は-35%と他構造より緩やかで、結果として木造比率は34%から43%に上昇しました。床面積全体が縮小する中で、木造の相対的なシェアが高まる構造転換が進んでいます。

構造別 着工床面積の推移

※ 全建築物(住宅+非住宅)。千m2を百万m2に換算。年次データ。

出典:国土交通省 建築着工統計(構造別床面積時系列)

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出典:各省庁公式データ。最終更新日を必ずご確認ください。