データで見る建設DX
BIM導入率・ICT施工・CCUS登録・ドローン市場から、建設業のデジタル化の現在地を可視化しています。
最終更新:2026年4月
BIM導入率(2024年)
58.7%
ICT施工実施率(直轄)
88%
CCUS技能者(2026年)
181万人
建設ドローン市場
380億円
BIM導入率は令和6年度で58.7%、1-100人規模は44.8%にとどまります(13団体会員への調査ベース)
国交省「建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査」(令和7年1月公表、n=433、建築BIM推進会議参加13団体会員への配布2,468・回収率17.5%)によると、13団体会員ベースでのBIM導入率は令和4年度の48.4%から令和6年度の58.7%へ10ポイント上昇しました。建設業約47万社全体を代表する数値ではない点に注意が必要です。従業員規模別では101人以上の企業が77.7%に対し、1-100人規模は44.8%と約1.7倍の差があります。分野別では総合設計事務所80.0%、専門工事会社74.4%、専門設計事務所61.4%、総合建設業48.6%と幅があり、総合建設業・専門工事会社では令和4年度比で大きな伸びを示しました。中小企業でも導入は進みつつありますが、本格活用には二重作業(2D+3D)の負担が障壁として残ります。
BIM導入率(従業員規模別、13団体会員ベース)
※ 調査対象は建築BIM推進会議参加13団体(日本建築士会連合会、日本建築家協会、日本建設業連合会、住宅生産団体連合会等)の会員。配布2,468/回収433(回収率17.5%)。数値は回答した部署ベースで、建設業全体を代表する統計ではない。
出典:国土交通省「建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査<概要>」(令和7年1月、第21回建築BIM推進会議 資料4)
CCUS 登録は技能者 181 万人・事業者 30.9 万社、累計ベースで技能者数の約 6 割に相当します
建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録は2026年3月末時点で技能者約181万人、事業者約30.9万社(うち一人親方を除く法人等 約20.2万社)に達しました(国土交通省「CCUSの利用状況」、建設業振興基金データより)。累計登録者 181 万人を建設業技能者数 約 296 万人(労働力調査 令和 7 年)で単純比較すると約 61% に相当します。ただし登録は累計ベースで、離職者や更新未了者も含むため、現役技能者のカバー率はこれより低く見るのが妥当です。2022 年末の 114 万人/21.7 万社から約 3 年強で技能者数ベースで約 1.6 倍に拡大しました。2024 年改正建設業法の処遇確保努力義務化と連動し、公共工事の総合評価加点や建退共電子申請との連携を通じて利用インセンティブが広がっています。
CCUS登録 技能者・事業者推移
※ 登録数は累計(離職者・更新未了含む)。分母の建設業技能者数は労働力調査 令和7年。
出典:国土交通省「建設キャリアアップシステムの利用状況(2026年3月末)」/ 建設業振興基金
令和 5 年度の ICT 施工は直轄工事で 87%、都道府県・政令市は 23% と大きな差があります
国交省「ICT施工に関する状況報告」(i-Construction推進コンソーシアム 技術部会 資料1)によると、令和5年度(2023年度)の直轄土木工事におけるICT施工実施率は公告件数ベースで 87% に達しました。一方、都道府県・政令市の発注工事(土工工種)は 23% と大きな差があります。同報告では、ICT 土工の起工測量〜電子納品までの延べ作業時間が約 30% 縮減される効果が示されています。i-Construction 2.0 では 2040 年度までに省人化 3 割(生産性 1.5 倍)を目標としており、地方自治体への展開が次の課題です。令和 6 年度(2024 年度)実績は 2025 年 2 月 26 日の第 20 回 ICT 導入協議会で公表済みで、MLIT 報道発表では直轄は約 9 割水準と周辺情報があります。ピンポイント数値は一次資料(資料-2 PDF)で確認した上で引用することを推奨します。
ICT施工実施率(直轄 vs 自治体、令和5年度)
※ 令和6年度の直轄「約9割」はMLIT報道発表の定性記述から。ピンポイント数値は公式PDF(001868674.pdf)の原典確認を必須とする。
出典:国土交通省「ICT施工に関する状況報告」(令和5年度実績) / 第20回ICT導入協議会(令和7年2月26日)
建設ドローン市場は2024年に380億円、2030年619億円へ拡大する民間予測があります
インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書」の民間推計によると、土木・建築分野のドローン市場規模は2024年度に約380億円に達し、2030年度には619億円へ拡大すると予測されています(2022→2024年の2年間で260→380億円の拡大)。公的統計ではなく民間調査会社による推計・予測値である点に留意が必要です。主な用途は測量・地形計測と構造物点検で、従来の人力作業と比較して工期を大幅に短縮できる事例も報告されています。ただし航空法規制への対応と操縦者の育成がボトルネックです。測量内製化か外注連携かの判断、点検業務の省人化投資の意思決定に使える指標として見ておく価値があります。
建設ドローン市場規模の推移(民間推計)
※ 民間調査会社による推計・予測値。公的統計ではなく、調査手法・カバー範囲は公開されている範囲で確認の上引用されたい。
出典:インプレス総合研究所 ドローンビジネス調査報告書
関連記事

建設業のM&Aをめぐる動向:レコフ集計・日本M&Aセンター業界別動向と中小事業者の活用論点
日本企業全体のM&Aは2024年4,700件で前年比+17.1%(レコフ)と拡大、建設業は事業承継型M&Aが議論される業種の一つ。後継者不在率57.3%(TDB 2025)と承継認可制度を踏まえ、中小事業者の活用論点を整理。

大手ゼネコン上場4社の2025年3月期 連結売上は合計約9.6兆円、清水を除く3社が増収基調
スーパーゼネコン上場4社(鹿島・大林・大成・清水)の2025年3月期連結売上は合計約9.6兆円。鹿島・大林・大成は増収、清水は減収。データセンター・半導体・都市再開発の大型案件と人件費・資材費上昇の利益バランスを連結ベースで整理。

建設業の後継者不在率は2025年に57.3%、全業種ワースト維持も7年連続改善
TDB 2025年調査で建設業の後継者不在率は57.3%。全業種で最も高い水準だが2018年71.4%から14.1ポイント低下し7年連続改善。事業承継の選択肢と中小事業者の対応論点を整理。

建設業の倒産2025年は2,021件で12年ぶり2,000件超、休廃業1万件超と合わせ年間1.2万社が退出
帝国データバンク2026年1月発表で2025年の建設業倒産は2,021件、4年連続増で12年ぶりに2,000件超。休廃業・解散は1万283件で初の1万件超・全産業最多。退出企業と原因構造を解説。

建設DX成功事例と失敗事例|中小工務店が今日から始める5ステップ
建設DXの現状と課題を公的データで整理。中小工務店向けにCCUS→クラウド図面→電子契約→BIM→ICT施工の5ステップ導入ロードマップ、ROIの考え方、補助金制度の確認方法を解説。

建設DXの現在地|BIM導入率49.7〜58.7%・ICT施工88%・CCUS181.8万人の実態
建設DXの現在地をBIM導入率(調査対象別49.7〜58.7%)、ICT施工直轄88%、CCUS175万人の公的データで解説。大手と中小の導入格差、i-Construction 2.0の目標、中小建設会社が着手できる具体的な手順を整理。