データで見る建設業の安全衛生
建災防・厚生労働省のデータから、建設業の労働災害の実態と推移を可視化しています。
最終更新:2026年4月
建設業 死亡者数(2024年)
232人
+4.0%
建設業 死傷者数(2024年)
13,849人
-3.9%
死因最多
墜落・転落 33%
全産業比(死亡者)
31.1%
建設業の労災死亡者数は34年で約8割減少しましたが、全産業の3割を占めています
建設業の労災死亡者数は 1990 年の 1,075 人から 2024 年の 232 人へと 34 年で約 8 割減少しました。安全教育の浸透、足場の規格強化、フルハーネス型墜落制止用器具の義務化など、規制・技術の両面で改善が進んでいます。ただし直近では 2023 年 223 人→2024 年 232 人と前年比 +9 人(+4.0%)の反転があり、長期改善の裏で短期的なブレには注意が必要です。全産業 746 人のうち建設業が 31.1% を占め、業種別では依然として最多です。就業者数が 2024 年平均約 477 万人(総務省 労働力調査、全産業の約 7%)であることを考えると、就業者比率に対して死亡者比率が約 4.4 倍と突出しています。労災保険料率(建設業 9.5/1000〜)や元請選定時の評価に直結する指標として、経営ダッシュボードに組み込む価値があります。
建設業 労災死亡者数(長期推移)
※ 死亡者数は暦年の確定値。全産業には建設業を含む。
出典:建設業労働災害防止協会(建災防)/ 厚生労働省 / 総務省 労働力調査(就業者数)
死傷者数(休業4日以上)は約14,000人で下げ止まりの兆候があります
建設業の死傷者数(休業4日以上)は2011年の22,372人から2024年の13,849人へ減少しましたが、2022年に16,079人へ一時増加するなど、下げ止まりの兆候も見えます。2014年に集計方式が変更されているため単純な長期比較は難しいですが、2014年以降の約10年間で見ると17,184人→13,849人と約19%の減少にとどまります。死亡者数ほどの改善ペースではなく、「死なないが怪我はする」状態が続いています。
建設業 死傷者数(休業4日以上)
※ 2014年に集計方式変更(労災給付実績→労働者死傷病報告)のため、2013年以前との単純比較不可。
出典:建設業労働災害防止協会(建災防)
墜落・転落が一貫して死因の最多で、7年間33〜44%を占めます
災害種類別に見ると、墜落・転落が 2018 年の 136 人から 2024 年の 77 人へ減少しつつも、毎年最多を占めています。2024 年は全体の 33.2% が墜落・転落です。建設機械等が第 2 位(42 人、18.1%)で、2023 年の 21 人から倍増した点が警戒材料です。電気(感電)も 2023 年 4 人→2024 年 10 人と 2.5 倍に増えています。絶対数は小さいものの、建設機械と電気が同時に増加した事実は、重機オペレーターの世代交代と電気工事の増加局面で現場の経験密度が薄くなっていることを示唆します。工種別の KY 活動や協力会社の作業員教育履歴確認が再点検の起点になります。
災害種類別 死亡者数の推移
※ 「その他」にはクレーン等、爆発火災、取扱運搬、落盤等を含む。
出典:建設業労働災害防止協会(建災防)
2024年の死亡原因:墜落33%、建設機械18%、自動車10%
2024 年の災害種類別内訳を見ると、墜落・転落 77 人(33.2%)、建設機械等 42 人(18.1%)、自動車等 22 人(9.5%)の上位 3 種で全体の約 6 割を占めます。墜落対策としてはフルハーネス型安全帯(新規格)への完全移行が 2022 年 1 月 2 日から義務化されましたが、足場からの墜落だけでなく、屋根上作業や開口部からの墜落も多く、ハード面での対策だけでは限界があります。建設機械等の死亡が前年比倍増した背景は単一要因で断定できないため、高所作業車・重機操作の安全基準の現場徹底と、協力会社を含めた作業員の教育履歴点検を、投資優先度を上げるタイミングとして捉えるのが実務的です。
2024年 災害種類別 内訳
出典:建設業労働災害防止協会(建災防)(2024年確定値)
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